TOKARA ISLAND
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須崎ぐんむく泊自然の力と開拓者が  織りなす島の力─自然の力と開拓者が  織りなす島の力─す わ  の  せ じまマルバサツキ マルバサツキは、横当島を除くトカラ列島全域をはじめ屋久島、開聞岳などに分布しますが、中之島や諏訪之瀬島のような大群落は他には類がありません。特に諏訪之瀬島では、海岸から山項付近まで分布し、低地では5~6月、標高400mを超える高地では、7月~8月にかけて乱れんばかりに咲き、一面ピンクのお花畑と化します。空港跡地(場外離着陸場)かつてここは、リゾートアイランドとして、開発された時のなごりで空港が残っています。今は緊急用のヘリポートとして使われています。切石港から南側へ、車で約10分程度走り、発電所のそばにあります。藤井富伝翁の墓藤井富伝翁は文政10年(1827)に奄美大島に生まれました。文化10年(1813)の御岳の大噴火により、無人島になった諏訪之瀬島の開拓をするために、明治9年(1876)に来島しました。多くの困難や苦労を克服して、現在の島の基盤を築きあげました。富伝は、明治37年(1904)2月23日自ら開墾した島で生涯を閉じました。榊戸原牧場諏訪之瀬島キャンプ場トイレ、シャワー、炊事施設を備えています。キャンプ場からは、御岳、牧場が見渡せます。テントの貸し出しは有料です。乙姫の洞窟と切石港フェリーとしま2が接岸する切石港を、右手に向かうと、山がぱっくりと口を開いたような洞窟が見えます。ここにはトカラ列島の島々に伝わる乙姫の伝説があります。また、ここは土がやわらかく崩れやすいので、気をつけてください。元浦港付近の夕日集落からの狭く急な坂を下ると、たどり着きます。また、この付近から見る夕日はとてもきれいで、島ならではの低い雲を目の前で見られ、遠くには平島・悪石島・小宝島・宝島も見ることができます。ナハ浜(潮見崎)潮見崎へ向かう道を歩くと、やがて小さな小道が見えてきます。そこまでの道は、海水浴場と言っても狭く険しい。人が一人程度降りられる道を下ると、目の前に砂浜と岩肌が見えてきます。この海岸は潮溜まりでは小さな魚や貝類などの自然観察もでき、泳ぐこともできます。【諏訪之瀬島概要】面 積:27.66km2周 囲:27.15km東 経:129度42分北 緯:29度36分最高点:799m 十島村の中で2番目に大きい島です。御岳(799m)は今も活発に噴煙をあげています。御岳は過去に幾度となく大噴火を繰り返してきました。文化10年(西暦1813年)の大噴火でほとんどの人家は消滅し、全島民が避難したため、約70年間は無人島となりました。明治期に入り、奄美大島出身の藤井富伝らが入植し開拓しました。しかし、そんな厳しい自然状況でも北西部の溶岩台地にはマルバサツキが群生し、春になれば一面ピンクの花を咲かせます。空港跡地より根上岳と御岳を望むかつて、空港として使われていた跡地を右手に入ります。すると先端部分から右手を見ると根上岳と御岳や、その麓にある牧場や集落が一望できます。目の前で見る御岳は、迫力満点!撮影ポイントです。山桜の大木貴重な植物が多く生息するナベダオに根を張る山桜の大木群(国内分布の南限)。

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