鹿児島県十島村

十島村について

村長の部屋

ごあいさつ
写真:十島村長 肥後 正司
十島村長 肥後 正司

本村は、有人7島、無人5島の小規模の島々が南北160キロに点在し、役場庁舎が行政区域外の鹿児島市内にある特異な環境下で、地理的条件ゆえの交通や医療福祉等、他の自治体にない課題を抱えています。

「日本一長い村“十島村”の更なる飛躍を目指し5本柱による島づくり」をキャッチフレーズとして、「定住促進と産業振興の連携強化」・「生活環境整備の推進」・「少子高齢化と医療福祉の充実」・「地域活性化と教育文化の推進」・「行財政機能の強化」を主要政策として取組んでまいります。

なかでも、「定住促進と産業振興の連携強化」では、人口対策と産業対策が一体となった島づくりを進めるため、各地域に組織化された「定住者サポート推進委員会」の活動を通した受入れ支援体制を強化、定住イベントへの積極的な取組みや村営住宅等の住環境の整備等に加え、子供連れや生産年齢世代並びにシニア世代受入れの支援を拡充するとともに、「友好島民」を十島村の応援団として、将来の定住人口に繋げるための「関係人口」の取組みを積極的に展開し、人口700人規模を目指します。

産業対策では、農業分野で、稼げる畜産業を柱に、季節を通した複合農業や有畜複合農業を推進し、村特有の農産物の推進や情報発信、販路拡大を図り、水産業分野では、師弟制度での技術支援等を強化するとともに水産施設整備にも取組みつつ、船釣りや瀬渡し、ダイビング業等の起業を支援し、漁業者の収益向上や後継者育成を図り、稼げる産業の確立を目指します。

観光関係では、手付かずの自然が多く残る希少性の高い地域として、民宿業等の起業を支援しつつ、トカラ列島7つの島々の特性を活かした島めぐりマラソン大会や島めぐりツアーなど、地域の潜在力を生かした体験型観光や自然と融合した観光施設の整備を進め、観光地としての機能向上に取組みます。

本村の医療体制は、令和元年度から看護師2名体制で介護と連携して取組んでいますが、健康づくり教室の開催や、病気の早期発見に繋がる健康診断受診率の県内一位を目指すとともに、予防接種費用の助成制度や情報通信技術を活用した遠隔医療診療など、住民に寄り添ったきめ細やかな医療体制の構築を目指します。

本村の交通アクセスは、村営定期船が週2便と臨時便年15便を基本とする運航形態でありますが、村民生活の安心の確保及び産業振興上大きな障害となっていることから、年間を通した週3便化を目指すとともに、新たな交通アクセスとして、諏訪之瀬島の飛行場の活用を目指します。

情報通信分野では、超高速ブロードバンドが令和3年度には運用を開始して、都市部との情報格差が解消されます。

村では、子育て・医療・介護・福祉が充実した島づくりを目指しています。
 ミルク・紙オムツ支援や保育施設におけるおやつ代の無償化に取組むとともに、妊産婦支援員を配置して、子育て世代の支援体制を進めます。

本村の学校教育は、「生きる力を育む心豊かな人づくり」を基本理念に掲げ、地域風土や伝統を活かした教育の充実と基礎学力の定着を目指し、人間性豊かでたくましい児童生徒の育成に努めています。
 高校に進学するときの「島立ち」を支える揺るぎない精神力の育成や山海留学生の受入れに積極的に取り組むとともに、学校通信ネットワーク整備や児童生徒に一人1台のパソコン類の整備、及びALTの安定的な確保に加え、学校給食費の無償化、山海留学生里親の助成金拡充や寄宿舎整備、学校施設のエアコン整備など、学校が地域の核として飛躍発展することを基本方針として、児童生徒数100名規模の安定的確保に取組みます。

日用品類等を取扱っている商店やガソリンスタンドがない地域では、島民や来島者にとって不便を強いられているため、農水産等の特産品の販売も兼ねた商店やガソリンスタンドの整備を進めます。

本村では、比較的元気な現役高齢者が産業振興等を含め地域を支える一員として多く存在しています。
今後も生き生きと楽しく年齢を重ねて行くため、老人クラブ活動や軽スポーツ、軽作業等での健康づくり事業や生きがいづくり事業に加え、元気な高齢者の人材活用も進めながら、人生100年時代に向けた健康で明るく活力ある高齢化社会の実現を目指します。

本村は、ヤマト文化と琉球文化の接点とされ、悪石島のボゼや口之島の狂言、平島の福徳神等独特の祭事や伝統文化が年中行事として執り行われており、貴重な動植物が天然記念物として保護・継承されています。
 この先人から引継いできた他に類を見ない希少価値のある文化財を引き継いでいくとともに新たな植物等の文化財掘起こしを進めます。

人口減少社会に本格的に突入し、地方を取り巻く環境は大きく変化してきています。中でも、小規模の島々からなる私ども十島村は、地理的条件等あらゆる分野で厳しい環境下にありますが、全力で村政振興に取組んでまいります。